以前、ヤシカコンタックスのマクロプラナーを紹介しておりますが、今回はコシナのマクロプラナーを紹介いたします。
自分にとってもっとも大きな違いは、電子接点があるのでEXIFが残ると言うことです。後で触れますが、マウントアダプターはSIGMAのMC-11を使用しております。SONY α7Ⅲとのコンビネーションで使い始めてから一年以上経過したので、作例とともにレンズレビューをしてみたいと思います。
Carl Zeiss(カールツァイス)Makro-Planar T* 2/50 ZE
歴史
2010年2月、コシナからCarl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZE発売。メーカー希望小売価格は¥119,500-(税別)
2021年現在は、中古しかないわけですが、比較的状態の良いもので、106,182円(税別)といったところでしょうか。中古でこの価格と言うので、このレンズの人気が伺えます。現行モデルはMilvus 2/50M ZEで、メーカー希望小売価格は¥151,000-(税別)となります。
スペック・基本仕様
対応マウント | キャノンEFマウント |
---|---|
レンズタイプ | 単焦点 |
フォーカス | MF |
レンズ構成 | 6群8枚 |
絞り羽根枚数 | 9 枚 |
焦点距離 | 50 mm |
最短撮影距離 | 0.24 m |
最大撮影倍率 | 1:2 倍 |
開放F値 | F2.0 |
画角 | 39~46 度 |
フィルター径 | 67 mm |
最大径×長さ | 72×64 mm |
重量 | 510 g |
レンズ構成図
箱に載っていたCarl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 のレンズ構成図です。プラナータイプの様ですが、6群8枚で、ヤシコンの4群6枚ダブルガウスと比べると、ボディー側にレンズが2枚足された感じです。
α7Ⅲに装着した姿
マウントアダプターはSIGMAのMC-11で、価格は¥37,500-(税別)。価格.comの最安値は2021年現在で21,117円(税別)。SIGMAの製品は今のところこのマウントアダプターしか持っていませんが、この製品に触れいつかはレンズも使ってみたいと思わせるのに十分なものです。素晴らしい制度と質感、正直惚れました。
電磁絞りで開放測光しています。レリーズボタンを押すと瞬時に絞られシャッターが切れます。ファインダーを覗いていると開放なのでピントの山も見やすく合わせやすい。被写界深度のイメージは絞りプレビューで見るか、撮影後の確認となります。何よりレンズ情報とF値が残るのが嬉しいです。
重さを等倍マクロAEJの(570g)と比べるわけにはいきません。ハーフマクロどうしと言うことでMMJの重さは260g、このレンズは510g。ただしフロントヘビーと言う感じはしません。最短撮影距離まで繰り出しても不格好ではありません。
マウントアダプターにフードの長さが加わり、最短撮影まで繰り出すとこんな感じ。ヤシコン2.8/60 C MMJよりも太い分、ギリギリ不格好には見えません。フォーカシングすると独特のヌメリを感じるような重めのトルク。マクロらしく回転角の割にジワリと動くので、非常に合わせやすい。
絞りの変化による描写の違い
開放の周辺減光はまずまずあり、若干ぐるぐるボケになるときもあります。一段絞ると整います。普段f/11よりも絞ることが少ないので、この作例もf/11までしかありませんでした。実際はf/22まで絞ることができます。
Carl Zeiss(カールツァイス)Makro-Planar T* 2/50 ZEの作例
作例の順序は単純に撮った順です。
ホワイツ・スモークジャンパー
f/4、1/15sec、ISO-100、Adobemonochrome 2020-03-01
このレンズとα7Ⅲのコンビとなってから初期の画です。私物を物撮りしました。皮の質感が伝わるでしょうか?。
ガーベラ
f/2、1/60sec、ISO-100、WB-5000 2020-04-24
左にある窓からの自然光のみで撮影しました。サイド光で浮き上がる花弁の質感。気持ち良いです。
胡蝶蘭
f/4、1/200sec、ISO-100、WB-4200 2020-05-20
InstagramのZEISS Lenses Japanさんの公式にて紹介された一枚。上の画同様、左の窓からの自然なサイド光のみで、花弁の質感重視の撮影。
ガクアジサイ
f/8、1/90sec、ISO-250、WB-5800 2020-06-15
いかにも雨が落ちてきそうな日、マクロプラナーが素晴らしい色を捉えてくれました。ちょうど本来の紫陽花の花弁(中心部分)も咲き始めていました。二枚の美しい萼(ガク)と中心部分手前の花弁にピント。f/8まで絞った作例として…。
コーヒー
f/4、1/30sec、ISO-100、WB-5300K 2020-10-18
コーヒー豆の質感、そして暖かそうな湯気の表現を意識して撮影しました。奥やや上からのライティングと、左からのライティングをしております。
カラー
f/5.6、1/3sec、ISO-100、WB-5350K 2020-10-25
深みのある色と艶に一目惚れ。黄色い中心部分が花だそうで、その2つの花にピント。2つの仏炎苞が収まる被写界深度f/5.6
ダリア・チェリードロップ
f/4、1/60sec、ISO-100、WB-5000K 2020-11-22
この気持ち良い赤の表現も、なかなか難しい。赤は明るいと飽和してしまうので、撮影では一段露出を落とし、彩度も僅かに下げました。写りが良いのは流石のzeiss
ショコラバーム(CLUB HARIE)
f/4、1/40sec、ISO-100、WB-5500K 2021-02-17
自分ではなかなか買わないようなものを頂いたので、記念に撮影いたしました。TOPと左からライティングしてます。
陽光(さくら)
f/8、1/160sec、ISO-100、WB-5850K 2021-03-30
アマギヨシノとカンヒザクラの交配品種だそうで、大輪の薄紅色が映えます。主題はあの子で、副題はあの蕾。
刺し盛り
f/5.6、1/8sec、ISO-100、WB-2800K 2021-04-11
ごく普通にテーブルフォト。ヤシコン60mmと比べると、少し広くて少し寄れるので自由度は高いです。プラナー由来と思われるプルプルの艶も心地よいですよね。料理写真と言うことで少し明るめ。
フクシア
f/4、1/400sec、ISO-100、WB-4400K 2021-05-03
色に感動し、そのイメージを表現すべく撮影。撮影時は自然光のみですが、がっつり直射日光なので露出を落としました。現像でハイライトを少し下げましたが、彩度は触っていません。コシナツァイスならではの色乗り?
最下部に玉ボケも少し見えます。ヤシコンと違って9枚羽根の絞りなので角ボケになっていません。
Carl Zeiss(カールツァイス)Makro-Planar T* 2/50 ZEの総評
自分が所有しているマクロプラナーはヤシコンの2.8/60 C MMJ、2.8/60 AEJ、2.8/100 AEJ とこの一本で、唯一のコシナ製です。ヤシコンと比べると若干、黄色やオレンジの色の乗りを感じます。料理写真の天ぷらで、お店の照明の影響が強いとは言え、撮って出しでは美味しそうに見えないほどでした。しかし調整は容易なので、それ以外の描写に注目したいところですよね。繊細な描写に関しては文句のつけようがありません。ボケの美しさや、抜けの良さも目を見張るものがあります。
しかしながら、この組み合わせでの画はまだ僅か一年と少し。フルサイズセンサーとマクロプラナーのコンビは、まだまだこんなものではなさそうです。
Carl Zeiss(カールツァイス)Makro-Planar T* 2/50 ZEに関するリンク
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